ロムノマ

ゲーム/ビジネス関連/雑記。自由きままに書いていきます。

SEKIROをフロー理論で分解してみた。

なんてこった、半年くらいサボっていた・・・ロムすけです。

  

さてさて、以前から書こうと思っていたのですが、

最近出会った中で、一番目から鱗だった知識「フロー理論」。

 

"カエルD"さんという方が、

noteで公開していた内容に感銘を受けました。↓コチラ

note.mu

 

フロー理論自体はカエルDさんの記事を読んでみれば、

ゲームについて考えている人は、自分と同じく目から鱗が出ます。出ます。

 

 

素晴らしい・・・

理解を深めるために実際のゲームに、あてはめて考えてみよう。

と思った次第です。 

 

本記事は自分なりに、フロー理論を実際に使いこなすための第一歩。

という気持ちで書きます。カエルDさんの話も参考に書かせて頂きます。

 

解釈の間違いもあるかもしれないですが、参考までにどうそ。

フロー理論ってなんなん?って人はカエルDさんの素晴らしい記事を読んでください。

 

 

 

さて、そこで今回題材にするのは、

今年最高に面白かったゲーム「SEKIRO」↓コチラ

www.sekiro.jp

デモンズソウルなど難易度の高いゲームを作ることで、

有名なFROM SOFTWARE(以下フロム)が作ったゲームです。

 

自分が遊んだ中では、最高のアクションゲームだ!といえるかもしれません。

超おもしろいですよ。SEKIRO。

では、早速フロー理論で面白さを説明してみようと思います。

 

 

 

そもそも話。難易度の高いゲームの好き嫌い

まず、難易度の高いゲームって、好きな人嫌いな人いますよね。

フロムのゲームって、ニッチだと言われることもありますが、

ハマる人は圧倒的にハマるし、

宣伝をあまりしていないのに売れることでも有名だったりします。

 

フロー理論の図があるのですが、

これをみると、納得できすぎてヤバイです。

フローのメンタルステート図

(まぁ2軸でどんな心境になるかを現わしている。くらいに考えてみます

 

フローメンタルステート図

Wikipediaを参考に知人に描いてもらった図

 

 

SEKIROが嫌いな人の心境

SEKIROも難易度が高く、ザコでもプレイヤがミスすると惨殺されます。

つまり、苦手なプレイヤーは、赤枠で囲ったあたりに近い心境になります。

アクションに不慣れで、得意ではない人はそりゃあもう、つまらないゲームだと感じます。 

フローメンタルステート図:スキルレベル低

 

 

SEKIROが大好きな人の心境

しかし、慣れて上手くなると、簡単にフローに突入します。

難易度の高いゲームに対してスキルのレベルをちゃんとつければ、

フローに入りやすいので、そこに到達できるプレイヤーは面白いと感じるわけです。

死ニゲー大好き!って人はフローの虜なのかもしれません。

 フローメンタルステート図:スキルレベル高

 

 

SEKIROをフロー理論にあてはめてみる

フローに入るための条件はたくさんあり、

それらを満たすほどフローに入りやすくなるという話です。

全部を満たさないとダメということではないようですが。

SEKIROはどうでしょうか。

 

設定に関わるフロー要素

・明確な目的
・活動に本質的な価値がある、だから活動が苦にならない

→シナリオと基本となる活動が結びついていて明確な目的があるか。

活動が苦にならず分かりやすいと良いという解釈。

心理学ということで言葉が難しいと自分は感じてしまいましたが、

実際にゲームに当てはめるとイメージしやすいですね。

 

▼シナリオ

「フィクション:戦国末期の忍のおはなし」

▼基本的な活動

 「主の為に敵と闘う」

  

主人公が記憶喪失の設定はゲーム的に都合が良い論がありますが、

そういえばSEKIROも、そうでしたね。プレイヤーとシンクロしやすいという理由もあったかと思いますが、わかりやすさに繋がっているんじゃないでしょうか。

アクションゲームってこともあって、シンプルでわかりやすくなっていますよね。

 

システムに関わるフロー要素

・明確な目的(予想と法則が認識できる)
・活動に本質的な価値がある、だから活動が苦にならない。(リターンがある
・直接的で即座な反応(活動の過程における成功と失敗が明確で、行動が必要に応じて調節される)
・能力の水準と難易度とのバランス(活動が易しすぎず、難しすぎない)
・状況や活動を自分で制御している感覚。
・集中の要素(活動に従事する人が、それに深く集中し探求する機会を持つ)→探求の機会がある

 

ゲームシステムに関わりそうなのはコレ。

これまた難しく見えますが、実際のゲームシステムに落とすために、

上記項目を分解します。

勝手に「これを満たすとフロー要素が満たされるんじゃないかリスト」を用意し、SEKIROの要素を当てはめてみます。

 

前提:基礎の遊び

刀や忍具を使い敵と闘う。

 

▼明確な目的で行動選択できるか

・基本的な攻撃

・ガード/回避

・回避後攻撃

・パリィ攻撃

・とどめ攻撃

・必殺技(数種類から任意選択
 →特定攻撃に対して有効なモノも加える

・忍具(数種類から任意選択
 →特定の敵に有効なモノも加える

 

これらは明確にプレイ中に判断して使用しているはず。

▼操作に対する結果が予想できるか

敵のモーションの種類を、
縦切り/横斬り/突き/つかみ
の基本パターンを用意して、
それぞれに対する操作の正解を用意。

 

更に、「危」アイコンが表示されると、上記のどれかがくるので、
モーションでの判断、もしくは敵の攻撃パターンを学ぶことで、
プレイヤー判断を明確化。

※ほかにも敵の特徴として、あからさまに、
盾をもっているやつには斧を使うと正解!
など、敵の見た目で予想が可能なものも用意している。

▼プレイヤースキルを要求できるか

・パリィ
 →ボタンを押すタイミングを要求してくるので成功すると俺成長したなと感じる

 

・敵の攻撃パターンを学習
 それぞれの攻撃に対して正解攻撃を出すのがそれなりに大変なので要求可能。

 

・敵が強い

 相手の攻撃がとても痛いので、ミス数回で死ぬ。言わなくても確実に要求されてる。

▼成功と失敗が明確か

タイミング要求する要素が多いので、
失敗すれば、被ダメージ。
成功すれば与ダメージチャンス。
と明確。

▼行動が必要に応じて調節できるか

HPを削れば倒せるが、
体幹ゲージをMAXにしても倒せるので、
全体を通してどっちで倒すかの判断が行える。

 

パリィも常に行わなくてもよいので、
追い詰めたタイミングで、
パリィを狙う。序盤は攻撃に専念。
など、プレイヤーによって調節可能。

 

攻撃方法も、忍具が回数制限付きなので、
使用タイミングを調節可能。

 

▼状況や活動を制御している感覚があるか

自分の判断/操作の選択で、
ピンチにもチャンスにもなり、
勝利か敗北が決まるので制御感覚は問題ないはず。

 

▼難易度が優しすぎず、難しすぎない機会を作れているか

難易度は意図的に高めになっている。
通常ザコが優しすぎず、難しすぎない感じ。
中ボスより上は強い。

・中ボスを倒す
・マップを探索する
・スキル獲得
・NPCから購入

を行うことで、

・回復アイテム効果UP
・HP上限上昇
・攻撃力UP上昇

が行える。

これにより、
勝てない敵への努力を行うことができ、
後半ザコで、また優しすぎず難しすぎない状況を生める。

 

遊んでいて上手くできてるな~と思うのは、

最初苦労したザコ敵は、瞬殺できるようになっていくこと。

(敵のパターン理解が完全に済んでいた→うまくなったと思える)

 

▼プレイヤーが自発的に挑戦できるか

各地にストーリーと関係ない強い中ボスがいるので可能。
強化アイテムやスキルを無視して進み、自分を追い込むプレイヤーもいるほど。

 

▼活動に価値があるか(本質的なリターンがあるか)

敵を倒すと、忍具強化素材、金、スキルポイントは最低でも手に入るので、
敵を倒すと、自分が強くなるもしくは、

まだみぬスキルをゲットできるので、価値も問題ない。

▼探求の機会があるか

隠しボスが多数いるのと、
レベルデザインとして、大筋のシナリオを無視して、
自由にルートが選択できる。
更にマップがないので、探索に没入する。

 

戦闘においても、
忍具の選択や、アイテムの使用などで、
てこずる敵に対してどう対処するかの探求が可能。

 

結果として起こるフロー要素

・専念と集中、注意力の限定された分野への高度な集中
・時間感覚のゆがみ - 時間への我々の主体的な経験の変更
・自己に対する意識の感覚の低下、活動と意識の融合。

要はめちゃくちゃ集中しちゃいますよ?って事っすよね。

SEKIROはほんとしゃぶり尽くしてトロコンしましたよ。

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めちゃくちゃあてはまるじゃーーん!

そら、面白いし集中しちゃうよなぁ~って気がします。

自分で解釈してるので、無理やり感があるかもしれませんが、

フロー理論で説明できる面白さは確実にあるなと実感できました。

 

SEKIROを、

なんて良くできた面白いアクションゲームだ!!と思うのは、

こういうところから来るのかもしれませんね。

フロー理論。面白いですね。